最近、CM等でもよく聞く腸内環境に必要な3大腸内細菌をご存じですか?
私は、勉強するまで全然わかっていませんでした。
そこで、本記事では、腸内細菌、その中でも代表的な菌と特徴をご紹介します。
腸内細菌について理解し、よい腸内環境を保ち生活を改善、よりよい生活をしていきましょう。
腸内細菌
腸内に存在するさまざまな微生物、特に細菌の総称です。これらの細菌は腸内フローラ(または腸内マイクロバイオーム)と呼ばれる生態系を形成しており、人間の消化器官、特に大腸に多く存在します。腸内細菌は、消化を助けるだけでなく、ビタミンの合成、免疫系のサポート、有害な病原菌の抑制など、多くの重要な役割を果たしています。
腸内細菌の主な役割
- 消化の促進: 食物繊維や炭水化物を分解し、短鎖脂肪酸などの有用な代謝物を生成します。
- 免疫機能の調整: 腸内で病原菌が繁殖しないようにし、免疫系のバランスを保つ手助けをします。
- ビタミンの合成: ビタミンKや一部のビタミンB群を生成します。
- 有害物質の解毒: 一部の有害物質を分解して、体に悪影響を及ぼさないようにします。
腸内細菌のバランスが乱れると、消化不良や免疫力の低下、さらにはさまざまな病気のリスクが高まることがあります。健康的な腸内細菌のバランスを保つためには、食事やライフスタイルが重要で、特に食物繊維や発酵食品が効果的です。
善玉菌
腸内に存在する細菌の中で、私たちの健康にプラスの効果をもたらす有益な細菌のことを指します。これらの細菌は、腸内環境を整え、消化や免疫機能をサポートし、有害な病原菌(悪玉菌)の増殖を抑制する役割を果たしています。
ビフィズス菌 (Bifidobacterium)
10種類以上が人の腸内にいます。大腸に多く存在し、乳酸や酢酸を生成して腸内を酸性に保ち、病原菌の増殖を抑える役割を果たします。便通を改善し、痩せやすい身体作り、免疫力を向上させる効果もあります。
乳酸菌 (Lactobacillus)
小腸と大腸に存在し、糖を分解して乳酸を生成し、腸内のpHを低く保ちます。これにより、有害な細菌の繁殖を防ぎます。植物性と動物性があります。植物性は腸まで届き、動物性は腸まで生きて届きません。乳酸菌の死骸は腸で他の菌の餌になるので腸に生きて届かなくでも大丈夫です。ヨーグルトやキムチなど、発酵食品に多く含まれています。
善玉菌の代表的な種類の一つで、腸内環境の改善や免疫力の向上に大きく貢献する細菌です。乳酸菌は、糖を分解して乳酸を生成し、腸内を酸性に保つことで、悪玉菌の増殖を抑える役割を果たしています。
乳酸菌の特徴
- 乳酸の生成: 乳酸菌は、食物に含まれる糖を発酵させて乳酸を作り出します。この乳酸が腸内を酸性にし、悪玉菌の増殖を抑制します。
- 免疫機能の強化: 乳酸菌は腸内の免疫細胞を刺激し、体全体の免疫力を高める効果があります。また、腸内のバリア機能を強化し、有害な細菌やウイルスの侵入を防ぎます。
- 消化のサポート: 腸内の環境を整え、便秘や下痢の改善にも寄与します。
乳酸菌の種類
乳酸菌は多数の種類がありますが、以下が代表的なものです。
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ラクトバチルス属 (Lactobacillus): 腸内や口腔内などに存在し、特にヨーグルトや発酵食品に多く含まれます。腸内で乳酸を生成し、腸内環境を整える効果があります。
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ストレプトコッカス属 (Streptococcus): 乳酸を生成し、特に発酵乳製品の製造に関与しています。代表的な例として、ストレプトコッカス・サーモフィルスがあり、ヨーグルトの発酵に使用されます。
乳酸菌の主な効果
- 腸内フローラの改善: 乳酸菌は腸内を酸性に保ち、悪玉菌の増殖を抑えて善玉菌を増やすことで、腸内のバランスを整えます。
- 便秘や下痢の予防: 乳酸菌が腸内の働きを活発にし、消化を助けることで、便通が改善されます。
- 免疫力の向上: 乳酸菌が腸内の免疫細胞に作用し、病原菌やウイルスに対する体の抵抗力を高めます。
- アレルギーの軽減: 一部の乳酸菌はアレルギー反応を抑える効果があり、アトピー性皮膚炎や花粉症の症状緩和に寄与することが示されています。
乳酸菌を含む食品
乳酸菌は、以下のような発酵食品に多く含まれています。
- ヨーグルト
- チーズ
- キムチ
- ぬか漬け
- 味噌
乳酸菌の摂取のポイント
乳酸菌は、体内に取り込まれても腸に到達する前に胃酸で死滅することがあります。しかし、死んだ乳酸菌(死菌)でも腸内で効果を発揮することが確認されています。そのため、継続的に摂取することが腸内フローラの改善に重要です。
酪酸菌
善玉菌の一種で、腸内で非常に重要な役割を果たしています。酪酸菌は、短鎖脂肪酸の一つである「酪酸」を生成することで、腸の健康や全身の健康に貢献します。酪酸は、大腸の細胞にとって重要なエネルギー源であり、腸内環境の改善や免疫機能のサポートに関わっています。
酪酸菌の特徴
- 酪酸の生成: 酪酸菌は食物繊維を発酵させて酪酸を生成します。この酪酸は大腸のエネルギー源となり、腸粘膜を強化します。
- 腸内環境の改善: 酪酸菌は腸内を酸性に保ち、悪玉菌の増殖を抑える働きがあります。また、腸の蠕動運動を促進し、便通を改善します。
- 免疫機能の強化: 酪酸には腸内の免疫細胞を活性化し、腸内の炎症を抑える効果があります。これにより、全身の免疫力向上に寄与します。
酪酸菌が多く含まれる食品
酪酸菌そのものは食品として直接摂取することは少ないですが、酪酸菌のエサとなる食物繊維や発酵食品を多く摂取することで、腸内で酪酸菌が増加します。
- 発酵食品: 味噌、ぬか漬け、納豆など
- 食物繊維を含む食品: 野菜、果物、全粒穀物、海藻など
酪酸菌の健康効果
- 腸粘膜の保護: 酪酸は大腸の細胞を活性化し、腸粘膜を強化します。これにより、腸漏れ症候群(リーキーガット)の予防に役立ちます。
- 腸内フローラのバランス改善: 酪酸菌が増えることで、腸内の悪玉菌が減少し、腸内フローラのバランスが整います。
- 大腸がんの予防: 酪酸には腸内の炎症を抑える働きがあり、これにより大腸がんのリスクを減らす可能性が示唆されています。
善玉菌の主な役割
- 腸内環境の維持: 善玉菌は、有害な悪玉菌の繁殖を抑え、腸内のバランスを保ちます。
- 消化のサポート: 食物繊維を分解し、短鎖脂肪酸を生成して腸のエネルギー源として利用されます。
- 免疫力の強化: 善玉菌は腸内の免疫細胞を活性化し、体全体の免疫力を高めます。
- ビタミンの合成: 一部の善玉菌はビタミンB群やビタミンKの合成を助けます。
善玉菌を増やすための方法
- 発酵食品を摂取: ヨーグルト、納豆、キムチなどの発酵食品は善玉菌を豊富に含んでいます。
- 食物繊維の摂取: 善玉菌のエサとなる食物繊維やオリゴ糖を含む食品(野菜、果物、全粒穀物など)を摂ることが重要です。
悪玉菌
ウェルシュ菌
腐敗菌です。食中毒の原因になるウェルシュ菌とは違い、健康な人の腸にもいます。
ウェルシュ菌の特徴
- 嫌気性細菌: 酸素のない環境で活発に増殖します。そのため、酸素の少ない腸内や食品の中で増殖することがあります。
- 芽胞を形成: ウェルシュ菌は、非常に強固な構造を持つ「芽胞」を形成するため、加熱や消毒に対して耐性があり、過酷な環境でも生き残ることができます。
- 毒素を産生: ウェルシュ菌は毒素を産生し、これが食中毒や壊死性腸炎などの原因となります。
ウェルシュ菌と腸内環境
ウェルシュ菌は通常、腸内に存在していますが、腸内フローラ(腸内細菌のバランス)が崩れると、ウェルシュ菌などの悪玉菌が優勢になり、消化不良や免疫低下、腸の炎症などの問題が生じる可能性があります。善玉菌を増やす食生活(発酵食品や食物繊維の摂取)で、ウェルシュ菌の影響を抑えることが大切です。
大腸菌毒性株
人の腸内にいる数はとても少ないです。毒性のあるものもあります。
緑膿菌
抗生剤に強いので薬剤耐性を持ちやすい菌です。
腸内での緑膿菌
腸内にも緑膿菌が存在することがありますが、通常は健康な腸内フローラの一部として問題を引き起こしません。しかし、腸内環境が乱れたり、免疫力が低下していたりすると、緑膿菌が増殖しやすくなり、感染のリスクが高まります。
免疫力低下時のリスク
緑膿菌は、健康な人の腸内ではほとんど影響を与えませんが、次のような場合に問題となることがあります。
日和見菌
・バクテロイデス…脂肪を身体に蓄えにくくします。
・フィルミクテス…脂肪を吸収しやすく、しかも身体に蓄えやすくしています。
・大腸菌無毒株…悪い菌の繁殖を防ぎ、ビタミンを作ります。
3つの腸内細菌において、日和見菌は最も数が多い存在です。腸内環境を健康に保つためには、日和見菌を善玉菌優勢の状態にする必要があります。
腸内細菌のバランス
腸内環境は腸内細菌のバランスで改善します。腸内細菌は大きく分けて3つ「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」です。この黄金比は「2:1:7」です。善玉菌がとびぬけていいから腸内環境がいいのではなく、バランスが大切です。
まとめ
本記事では腸内環境の3つの菌「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」について紹介しました。
勉強するまでは、悪玉菌ゼロがいいと思っていましたが、バランスが大切です。バランスが保たれたら構内環境は改善します。善玉菌がきちんと働けるよう腸内環境を整えていきましょう。
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